ぼくらの七日間戦争 宗田理 作
不朽の名作。4日間240分で読了。この本は教室にずっと置いてありましたが、これまで全く読む気がしませんでした(文字も小さいし、400ページ近くも読む気が起きない)。でも、高学年を担当すると毎回、必ずと言っていいくらい子供達(特に男子)から圧倒的な支持があった本でもあります。
作品の舞台背景に全共闘があります。しかし、私は学生運動の知識に乏しく、読んでいてもそこら辺は、正直珍紛漢紛でした。
高学年くらいの思春期を迎えたくらいの子供たちには、内容的にはスカッとするんでしょうか。大人が読むと、モラハラ・パワハラ・セクハラ・体罰のオンパレードです。いやー、それないっしょ笑 みたいな無粋なツッコミはダメだとわかっていても、それをせずにはいられなくなります。
舞台の学校は、ちょうどまさに、スクールウォーズです。
「俺は、今からお前たちを、殴る!!歯ぁ食いしばれーーー!!」みたいな感じです。昔は、そんな生徒指導をしていたんですね〜と読んでて可笑しくなります。
『みんなうまくいかんのは、子供を人間だと思ってるからだ。奴らは動物だと思えばいいんだ。犬や馬を調教するように、鞭で仕込めば必ずうまくいく。これが秘伝だ。君たちもよく頭に入れておきたまえ』
と校長先生が言っちゃうシーンに思わず時代を感じてしまうこと間違いなしです。
『これは、大人優先の発想です。身勝手とは思いませんか?我々は、一度だって、子供の目で世界を見たことがあったでしょうか?子供は、大人の囚人ではないのです』
この最後の方のシーンに、この本の伝えたいことが詰まっている感じでした。この言葉は、今も大切にしたいものです。
総じて、子供は笑いながら楽しく読める、大人も笑いながら楽しく読める良本でした。
面白さ星10で星8