闇の守り人 上橋菜穂子 作
守り人シリーズの2作目。3日間で読了。
前作から舞台を主人公・バルサの故郷、カンバル王国に移し、物語は進行していきます。相変わらず、カンバル王国や地下世界の情景描写が素敵です。自然とそのシーンを思い浮かべてしまうくらい、綺麗な書き方です。
物語の主軸は、過酷な運命に振り回されてきたバルサの再生の物語です。自分ではどうすることもできなかった過去に向き合い、これからの生きる意味を見出していく過程が胸熱の展開でした。でも、きっと小学生には、そんなバルサの生き様や選択に心及ぶことはないかのかなぁ。小学生には冒険活劇として、とても面白い読み物だと思います。
ヴィランのジグロがもっと、悪役としてもっと際立っていたら、最高でした。あと、ルイシャ贈りの儀式の相手は、物語の中盤で「きっと、そうだろうなぁ・・・」と思っていたら、案の定のそれでした。でも、そこを世界観と結びつける自然な設定が、またこの守り人シリーズの壮大さの魅力かなぁとも思います。
3作目の『夢の守り人』も楽しく読めようです。
本の面白さ星10で星9