徒然なるままに

読んだ本について、あーでもないこーでもないと勝手に考えるブログです。

精霊の守り人 上橋菜穂子 作

 「守り人」シリーズの1作目です。4日間で読了。

 古代アジアをモデルにしたハイファンタジーです。一応児童文学ですが、とても世界観が作り込まれています。小学校高学年の子には、皇太子をどう救うかという展開にワクワクしながら読むことができるでしょう。ただ、謀や純愛、バルサやタンダの生き様みたいなものは、ちょっと難しいのでそこら辺がわかるのは中高生からでしょうか。

 とても作り込まれている反面、文体は丁寧で読みやすく描写もリアルです。狩人やラルンガとの戦闘描写は、よくここまで書けるなーってくらい見事でした。リアルなんですが、『ダレン・シャン』みたいなグロさはありません。

 いやー、しかし、もっと純粋な冒険譚を想像していたのですが、予想に反して大人の純愛が描かれていたことにびっくりしました。タンダのバルサを想う一途さに、脱帽です。

https://www.amazon.co.jp/精霊の守り人-偕成社ワンダーランド-上橋-菜穂子/dp/4035401501