シャーロットのおくりもの E・B・ホワイト 作
3日間、160分で読了。教室で、読書が順調な子に、この本を手渡したので、その子のために選書。以前読んだ時は、途中で挫折したので、今回はきちんと読み切りました。
蜘蛛のシャーロットが、屠殺される運命の豚・ウィルバーを救うお話です。文体は平易ですが、文字がちっさい(笑)ので、読める子には読めるでしょう。3年生でも、読めると思います。
シャーロットは、最後に卵を産んで力尽きちゃいますが、それまでウィルバーを助けるために無償で、たくさんの手助けをします。その過程が、とっても綺麗な文章表現で、嫌味なく、自然に描かれていて。読んでいて、とても心地よい作品でした。
「どうして、僕のために色々してくれたの?ぼくにそんな価値なんてないのに。きみには、なにもしてあげてないのに」
「あなたは、いい友だちだったわ。それだけで、素晴らしいことじゃないの。あなたがすきだから、わたしは網に文字を書いたのよ。生きるって、どういうことだと思う?生まれてきて、少しばかり生きて、死んでいくんでしょう。くもの一生なんて、わなをしかけたり、羽虫を食べたりの、さんざんなものなの。あなたを助ければ、自分の一生が、ちょっとはましなものになると思ったのかもしれないわ。そんなことがあったって、いいでしょ。」
ここのくだりが、一番素敵でした。ウィルバーは、最初、蜘蛛の生き方を卑下し、血に飢えた残酷な生き物と糾弾しますが、シャーロットは、それはしょうがないことなのよ、いたって平然としています。そして粛々と、ウィルバーの悩みを聞き入れ、知恵を絞り、助けていくのです。シャーロットの人間性?が、誠実だとか、そんな言葉だけでは言い表すことができません。蜘蛛なのに、美しすぎます。
最後の結末も、とてもいい終わり方でした。シャーロットの残してくれたもの。ずっと続く、ウィルバーへの素敵な贈り物に感動しました。
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